雨漏りの原因トップ5とプロが教える対策法
雨漏りの原因トップ5
1位:屋根材のズレ・割れ・浮き(瓦・スレート・金属屋根共通)

最も多い原因が、屋根材そのものの不具合です。
●瓦・スレートがズレる理由
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瓦を固定している釘の緩み
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台風や強風でのめくれ
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施工時の不備(釘の長さ不足・固定位置の不適合)
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経年劣化による固定力低下
瓦が1枚わずかにズレるだけでも、そこに風が入り込み、次の雨で内部へ雨水が侵入します。
スレートの場合は割れや欠けも多く、ひびの幅が1mmでもあれば雨水は容赦なく浸透します。
●金属屋根の場合
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釘の浮き
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波板の劣化
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軒先部分のめくれ
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つなぎ目の歪み
金属は温度変化によって膨張・収縮するため、10年以上経つとほぼ確実にどこかが歪みます。
【プロの対策】
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屋根材の固定し直し・交換
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割れたスレートの差し替え
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金属屋根のビス打ち直し
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表面だけ直すのではなく「下地まで確認する」ことが重要
特にスレートの割れは表から見えづらいため、ドローン点検や屋根上の直接点検が必須です。
2位:経年劣化した防水シート(ルーフィング)の破れ
実は、雨漏りを本質的に防いでいるのは「屋根材」ではなく 防水シート(ルーフィング)」 です。
屋根材はあくまで“直接の雨を受け流す役”、
雨を絶対に内部に入れない“最後の砦”が防水シート。
しかし、ほとんどの家で使われているアスファルトルーフィングは10〜20年で劣化が進行します。
●防水シートが劣化する原因
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夏の高温で亀裂
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冬の寒暖差による破断
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施工時の釘穴からの浸水
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長年の結露による腐食
防水シートの劣化は屋根材を撤去しなければ見えません。
だから外から見て異常がなくても、内部ではすでに破れているケースが非常に多いのです。
【プロの対策】
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葺き替え工事(屋根材・防水シート・下地の全面交換)
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重ね葺き(カバー工法)(既存屋根の上に新しい屋根をかぶせる)
表面の補修では絶対に直らないため、根本的な工事が唯一の解決策になります。
3位:棟板金(むねばんきん)の浮き・破損
スレート屋根や金属屋根で必ずあるのが「棟板金」。
屋根の頂点にかぶせる細長い金属のカバーで、ここが雨漏り原因になるケースは非常に多いです。
●棟板金が雨漏りに直結する理由
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強風でめくれやすい
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中の木材(貫板)が腐る
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金属が膨張してビスが抜ける
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ビス穴から雨が侵入する
特に台風の被害後は、棟板金が外れかけている家を頻繁に見かけます。
【プロの対策】
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貫板ごと交換(樹脂製貫板にするのがベスト)
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ステンレスビスでの確実な固定
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風の強い地域は「強風仕様」の施工をすることも推奨
この部分は“外から見てわかる”ため、一番先にチェックすべきポイントです。
4位:雨どいの詰まり・破損による屋根からの逆流
「雨どいで雨漏り?」と疑問に思うかもしれませんが、実は非常に多い原因です。
雨どいが詰まると水が流れず、
屋根の端から“溢れた水”が外壁を伝って内部に浸入します。
●詰まりの原因
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落ち葉・砂・土
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鳥の巣
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雪害
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取付金具のゆるみ
屋根と外壁の境目(取り合い部分)は雨漏りしやすい構造なので、雨どいの溢れは雨漏りの引き金になります。
【プロの対策】
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雨どいの清掃
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勾配調整(水が流れる角度を適切にする)
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破損部品の交換
半年〜1年に1回は点検するだけで雨漏りリスクを大きく減らせます。
5位:屋根と外壁の取り合い・谷部の隙間
構造的に水が溜まりやすい“谷部”や“外壁との境目”は、雨漏り多発ポイントです。
これは施工の質が影響する部分で、プロでも注意が必要とされます。
●雨漏りが起きる理由
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コーキングの劣化
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板金の施工不良
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水返し部分の設置ミス
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防水シートの重ね不足
複雑な部分ほど雨水の動きが読めず、設計・施工が少しでも甘いと必ず不具合が出ます。
【プロの対策】
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板金のやり直し
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コーキング打ち直し
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谷板金の交換
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周辺防水の増し張り
原因調査の際、最も慎重な検査が必要な場所です。
■雨漏りを再発させないための“プロの視点による本質的対策”
◆1. 「目に見える場所」よりも「内部の状態」を重視する
雨漏り診断で素人がやりがちな間違いが、
「表面の見える範囲だけで判断してしまう」 こと。
雨漏りは内部から出てくるため、外からの見た目は役に立ちません。
プロは以下を重視します:
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小屋裏(天井裏)の湿度・シミの方向
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防水層までの到達経路
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水の流れをシミュレーションしながら原因部を推定
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必要であれば散水試験
特に散水試験は、原因箇所を確定するための最重要作業で、
「無闇に修理して原因不明のまま放置」を避けることができます。
◆2. 応急処置と本工事は完全に別物と考える
「取り急ぎブルーシートで覆う」「コーキングで埋める」などの応急処置は、
あくまで“止血”にすぎません。
応急処置だけでは必ず再発します。
本工事として必要なのは、
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屋根材交換
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棟板金交換
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防水シートの補修・交換
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下地の補強
など、原因に対して根本的にアプローチする作業です。
◆3. 10年以上経った屋根は「予防工事」が最もコスパが良い
実は、雨漏りは起きてから直すより、
起きる前に最小限の修理をしておく方が圧倒的に安く済みます。
10〜15年の屋根は
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釘が浮く
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スレートが反る
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棟板金が緩む
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コーキングが劣化
といった“雨漏り予備軍”が必ずあるため、
年に1度の点検、5〜10年での部分補修が必要です。
■まとめ:雨漏りは「原因の特定」がすべて
雨漏りの修理は、価格ではなく“原因を明確にできるかどうか”で成功が決まります。
雨漏りの主な原因トップ5
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屋根材のズレ・割れ・浮き
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防水シート(ルーフィング)の劣化
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棟板金の浮き・破損
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雨どいの詰まりによる逆流
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屋根と外壁・谷部の隙間
雨漏りは場所ではなく“水の流れ”で考える必要があります。
見た目だけでは判断できないため、プロの点検による原因特定が欠かせません。
屋根の点検や雨漏り修理でお困りの方は、屋根専門店「屋ね達」にお任せください。
国家資格保有スタッフが、原因調査から最適な修理方法まで丁寧にご提案いたします。
無料点検も実施中ですので、まずはお気軽にご相談ください。





